スマートデマンド管理の進め方

SMART DEMAND MANAGEMENT

警報対応で終わらせず、ピークの発生要因を減らす

デマンドは30分ごとに算定され、1日48回、年間では17,520回ありますが過大なものは年に数回しかありません。スマートデマンド管理では、超過しそうなときの一時対応に加え、計測データと現場情報から繰り返し発生する要因を見つけ、日常の運用そのものを改善します。

ピークは、複数設備の運転が重なって発生する

1日のデマンドを30分ごとの棒グラフで表示した例
1日は48本のデマンドで構成されます。

生産設備、空調、コンプレッサ、ポンプなどは、それぞれ必要なタイミングで(自動)運転されます。部門間で意識されないまま起動が重なると、大きなピークが発生します。

  • 発生日時と大きさを記録する
  • その時間帯の生産・設備・気象条件を確認する
  • 繰り返す曜日・時間・工程のパターンを探す

スマートデマンド管理の5段階

計測、分析、対策、検証を繰り返すスマートデマンド管理
計測データと現場情報を組み合わせ、対策を継続的に改善します。

01 計測する

受電端電力を継続記録し、最大値だけでなく前後の変化も残します。

02 目標を決める

契約電力と稼働条件から、現実的な目標デマンドを設定します。

03 準備する

調整可能な設備、容量、優先順位、停止不可条件、担当者を一覧化します。

04 対応する

予測情報と残り時間を見て、手順に沿って負荷を調整します。

05 検証する

操作記録と30秒データを突き合わせ、効果と現場影響を確認します。

最初から自動化しないことも重要です。 導入初期は警報と手動対応で知見を蓄積し、停止条件や品質・環境への影響が確認できた設備から自動制御へ移すと、安全に運用しやすくなります。

実例:空調負荷を129 kWから104 kWへ抑制

ある夏の日、工場内温度の上昇に伴い、省エネでまこんは10時49分にデマンド目標超過を予測し、空調機へデマンド信号を出力しました。その信号を受けて空調機コントローラーは圧縮機の運転を抑制しました。その結果、受電電力は10時49分の129 kWから10時50分の104 kWへ、1分間で25 kW低下しました。

デマンド目標超過を予測した警報画面
1 目標超過を予測
空調制御により受電端電力が低下したグラフ
2 129 kWから104 kWへ低下
既設空調機へ組み込んだデマンド制御基板
3 既設空調機の制御基板
  • 制御対象設備の容量と時限の残り時間から、制御タイミングを判断
  • 警報・制御・受電電力を記録し、後から追跡可能
  • 30秒データにより、負荷停止の大きさと応答を確認

この数値は特定設備・特定日の実績です。削減量や制御方法は、設備容量、契約、気象、生産条件によって異なります。

導入前に整理する項目

設備条件

  • 容量と運転スケジュール
  • 停止・設定変更の可否
  • 最低停止時間と再起動条件

現場条件

  • 品質・生産への影響
  • 温湿度など環境上の制約
  • 担当者と連絡手順

検証条件

  • 操作・警報の記録
  • 計測データの粒度と保存期間
  • 目標値を見直す周期

削減余地の確認から始める

請求書から概算効果を確認し、計測・目標設定・運用設計へ進めます。