空調暖房運転の状況
本項では、空調暖房運転の電力消費状況を紹介します。時期は2019年1月末、地域は中部です。
1)空調機の仕様など
- 空調機: 暖房能力7.29kW、冷房能力7.56kW 圧縮機出力1.8kW×2 製造年2005年頃
- 対象: 事務所空調(工場)
- 計測点: 室外機の一次側
2)空調機(圧縮機)消費電力
図1の説明(時系列)
- 8時19分 室外機運転開始
- 約5分後、ピーク電力が発生(6.3kW 圧縮機出力の1.7倍)
- 運転から10分後には消費電力がいったん「ゼロ」となった。
- その後すぐに、圧縮機は8分間運転し、3~4分間停止した。以降、このパターンの繰り返し。この時のピーク電力は3.6kW(圧縮機定格に等しい)で、圧縮機が運転している時の電力量は約400Wh/8分(平均は32Wh/分(10時ころまで))あった。
以上から次のことが言えます。
a)空調機(圧縮機)のピーク電力は朝一番に発生し、その大きさは定格の1.5倍程度
本ケースでは、1日の始まりに毎朝同じパターンで大きな電力が発生していました。仮に同じ時間に複数の空調が一斉に運転された場合、運転開始時には大きなデマンドが発生することが想定されます。
b)空調(圧縮機)は、室内温度が設定値になれば停止し、室内温度が下がると再び運転(※)。以後、このパターンの繰り返し
運転・停止のサイクルは、空調機の仕様や室内負荷により異なります。本ケースではほぼ一定間隔でサイクル運転していましたが、状況によっては圧縮機が停止することなく、連続で運転することもあります。図2は、3月下旬の様子で、圧縮機の運転サイクルは図1の時期に比べてかなり長くなっています。
参考までに、デマンド抑制を行う場合、空調機停止を行うことがよくありますが、圧縮機が停止している時にデマンド信号を与えても効果はありません。このことをよく認識してデマンド管理を行う必要があります。